協議離婚(話し合いで離婚を成立させる)成功させるための11ステップ

協議中の画像

離婚する方法はいくつかありますが、ほとんどの方は協議離婚という形で離婚をしています。

この協議離婚は、文字通り、「協議」で離婚する方法ですが、何をどうやって話合ったら分からない、と不安に思われている方も多いと思います。当事者同士の話し合いですから、特に決められたルールがあるわけではありません。

しかし、漫然と話をすればいいというわけでもありません。

本記事では、協議離婚を円滑に進め、成功に導くための秘訣、コツをお教えいたします。これを活用し、是非ともより良い協議離婚を成功させましょう!

1 協議離婚の事前準備

まずは協議離婚をスムーズに進めるための準備について説明します。

これは、まだ協議が始まる前の準備ですから、なるべく相手には分からないように行動してください。

ステップ1 なぜ離婚したいのか、書面で書いてみる。

協議離婚とは、夫婦がお互いに話し合い、合意して離婚を成立させることです。

話合いですから、何をどう話そうが自由ですし、決まったやり方はありません。

ただ、話合いということは、結局は相手を説得するということに尽きますから、「嫌い!」「別れたい!」と 単純に感情や望みだけ伝えても、反発されるだけですし、自分の思いはうまく伝わりません。

場合によっては論破されたり望まぬ方向で説得し返されたりすることもあります。

話合いを始める前に、まずは書面で自分なりの考えを書いてみましょう。

書面と言っても、論文でもなければ試験の解答でもないので、特に形式にこだわる必要はありません。箇条書きでも良いですし、日記のような形でも良いです。

とにかく自分の考えを言葉で整理することが重要です。

そうすれば、話し合うときもスムーズに自分の意見を伝え、説得することができるでしょう。

ステップ2 財産と収入に関する資料を集める

次に、以下のような資料を、できる限りたくさん集めます。

  1. 夫婦の財産がわかる資料
  2. 例:預貯通帳、自宅の不動産の登記簿、売買契約書、保険証券、株権、車の車検証、等々

  3. 夫婦の収入が分かる資料
  4. 例:給与明細、源泉徴収票、確定申告書、課税証明書、等々

離婚の条件として、財産分与と養育費で少しでも有利な条件を勝ち取るために、事前に可能な限りの情報を収集しましょう。

なお、相手名義のもの、相手が管理しているものについては、こちらだけで調べても分からないものもあると思います。

例えば退職金に関する情報や、相手の名義の預金通帳等。

そういったものは、とりあえずリストだけ作って控えておきましょう。

ステップ3 別居するかどうか決める

別居するかどうか悩まれる場合は、以下のように場合に分けて決めておくと良いでしょう。

  • (1) (DVやモラハラ等で)相手と暮らしていること自体が辛い
    →別居する
  • (2) 財産分与では、今住んでいる自宅はどうしても欲しい。
    →別居しない

(1)の場合で、別居すべきなのは当然です。

迷うことはありません。なるべく早く準備を整えて一刻も早く別居してください。

(2)の場合は逆に別居しない方が良いです。

不動産の財産分与では、もし将来その不動産の取得をめぐって争いになったとき、現在住んでいる人や管理している人が圧倒的に有利だからです。

では、(1)(2)両方あてはまる場合、逆に両方当てはまらない場合はどうするか?

そのような場合は、別居することによるメリットとデメリットを比べて、どちらが大きいかを考えて決めるのが良いでしょう。

    メリット:

  • 相手と離れて暮らせ、精神的にも気楽になる
  • 将来裁判になったときに、離婚が認められやすくなる
    デメリット:

  • お金と手間がかかる。
  • 自宅不動産は取得できる可能性が無くなる

別居すると決めた場合は、協議が始まる前に別居してしまいましょう。

別居の方法については以下の記事をご参照ください。

離婚で後悔しないために、知っておくべき「別居」のポイント

2 協議開始

準備が整ったら、いざ協議開始です。以下のような手順で話合いを進め、自分のペースに引き込みましょう

ステップ4 「どうしても離婚したい」とはっきり伝える

「あなたと離婚したいです。これから離婚の条件について話し合いたいと思います。」

このフレーズだけでいいです。

離婚したい理由だとか条件だとか、細かい話はいいです。

まずは離婚したい旨を単純にはっきり伝えてください。

ステップ5 リアクション別、対応方法

離婚の意思を伝えた後、相手の反応は様々だと思いますが、以下のように対応すると良いでしょう。

  • (1)素直に応じた場合
    →離婚したい理由は述べず、離婚条件について相手の考えを聞く。
  • (2)拒絶したり理由を聞いてきたりした場合
    →ステップ1でまとめた考えを述べる。
  • (3)相手が自分の意見を言い始めた場合
    →とりあえず聞くだけにする
  • (4)離婚条件に関して意見を求められた場合
    →まだ検討中である旨伝える

まず、(1)のときは、相手も離婚することは薄々覚悟はしていたということでしょうから、今さら理由を述べる必要はないでしょう。後は条件面での協議に入るだけです。

(2)の場合は理由を述べますが、その時は落ち着いて淡々と話すようにしましょう。

ただ、(3)のように、まずは相手の話を聞くだけにし、(4)のように、まだこちらからは具体的な意見を言ったり議論したりしない方が良いです。

ステップ6 ステップ2でまとめた資料の開示を求める。

財産や収入に関する資料として、ステップ2で、相手が管理しているものや相手名義のもので、こちらが調べても分からないものはリストでまとめたかと思います。

そのリストを見せて、相手に対して具体的な情報を開示するよう請求してみて下さい。

例えばですが、以下のような資料を求めてみて下さい。

  1. 預貯金について:預金通帳
  2. 保険について:保険証券
  3. 証券について:証券口座の取引明細
  4. 退職金について:会社から発行される退職金の計算書、退職金規定等
  5. 車について:車検証

3 条件の交渉

ステップ7 専門家に相談して、「法律上はどうなるか」を確認する。

条件面での交渉にあたっては、事前に弁護士等の専門家に相談に行って、「法律上はどうなるか」を相談、確認します。

そこで、ステップ5で相手がどういう反応を示したか、ステップ2とステップ6の結果、どの程度の資料が入手できたかを伝えてください。

そして、以下のようなテーマに沿って相談し、アドバイスを求めてください。

  1. 離婚が認められるか
    (子供について)
  2. 親権者はどちらになるか
  3. 養育費の額はどうなるか
  4. 親権者ではない人との面会はどうなるか
    (お金について)
  5. 財産分与はどのくらいの額をもらえるか、または払うことになるか。
  6. 慰謝料を請求できるか、または請求される恐れはあるか

それぞれの事項についての詳しい説明は省きますが、各事項について法律上はどういう結論になるのかを確認します。

自分の意見を決める指針として、「法律上はどうなるのか」といった「原則論」を確認、検討することは極めて重要なのです。

ステップ8 「法律上はどうなるか」を踏まえて、条件を提示する

専門家と相談した上で、「法律上はどうなるか」を確認した後は、その原則論を踏まえて相手と交渉します。

だいたい以下のような場合に分けたスタンスで条件を提示するとうまく行きやすいです。

     

  • (1)相手も早く離婚を望んでいる場合
    →法律上の適正条件だけを提示する
  • (2)相手は離婚したくない、または早く離婚したいわけではないという場合
    →法律上の適正条件より「相手にとって有利な」条件を提示する。

(1)の場合は、互いに離婚を望んでいるので、法律上の適正条件を提示すればうまく行くと思いますが、(2)の場合は、相手は積極的に離婚を望んでいるわけではないので、離婚へのインセンティブを与えるために、あえて有利な条件を提示した方がうまく行く可能性が高いです。

そして、共通して大事なのは、「法律上どうなるか」をきちんと相手に示してあげることです。例えば財産分与なら「法律上は100万円である」と明確に示してあげることです。

そうすれば(1)の場合はもちろん、(2)の場合も、自分が有利な条件を提示されていることを実感してもらえ、離婚に応じてもらいやすくなるからです。

ステップ9 「この条件すら飲まないのであれば、もう交渉は打ち切る」という条件の「デッドライン」を決める

ステップ8以降、互いに条件を提示し合って交渉を続けていくことになります。

こちらの提示した条件に対して、仮に相手が応じなかった場合は、さらに相手にとって有利な条件にして提示します。

しかし、「お金や条件に糸目はつけないから、とにかく早く離婚したい」という場合でない限り、無限に条件を釣り上げることなどできません。

その見極めは難しいですが、早く離婚することのメリットと、そのために払う犠牲(お金等の条件面)を考え、「この条件すら相手が飲まないのであれば交渉を打ち切る」という、自分なりの「デッドライン」を決めておくと良いです。

最終的には、そのデッドラインまで提示して、飲んでくれればそれでよし、飲んでくれなかったら交渉は打ち切って調停を提起することになります。

ステップ10 最後の手段:問題の先送り

財産分与、年金分割、養育費、慰謝料と言ったお金の問題についてどうしても決着がつかない場合は、あえて「何も決めずに」離婚だけ成立させるという選択肢もあります。

法律上、離婚と同時に決めなくてはいけないのは、親権者をどちらにするかということだけで、その他の点は、実は離婚後に決めても良く、必ずしも離婚と同時に決める必要はありません。

お金に関することでどうしても決着がつかない、しかしそれでも早く離婚したいということであれば、いっそのこと、とりあえず離婚と親権者だけ合意して離婚し、その他の点は、離婚後にゆっくり協議して決める、というのが最終手段です。

後に問題を残すことにはなりますが、それで合意できれば、最悪、離婚と親権者だけは早期に実現することもできます。

ただし、財産分与や年金分割や2年以内に請求しなくてはならず。慰謝料の請求権も3年間で時効にかかるなど、期間制限がありますのでご注意ください。

4 協議離婚の終了

協議が終了する場合とは、大きく分けて、すなわち合意できた場合、と、合意に至らず交渉が決裂した場合の2つに分かれます。

ステップ11-1 合意できた場合は離婚協議書と離婚届けを作成する。

条件で合意できた場合は、離婚協議書を作成し、その後で離婚届けに双方が署名押印し、必要事項を記入して役所に提出します。

離婚協議書の作成については、以下の記事をご参照ください。

離婚協議書の書き方徹底マニュアル

次に離婚届けですが、これは最寄りの役所で用紙を入手できます。また、証人の署名押印欄がありますが、これは基本的には成人であれば誰でも良いです。

離婚届けは、住民票がある住所の役所か、本籍地の役所に提出してください。

ステップ11-2 合意できない場合は、調停の提起

残念ながら合意できなかった場合は、調停を提起します。

ステップ9の「デッドライン」あるいはステップ10の「問題の先送り」さえ提示してもダメなら、これ以上協議を続けても無意味です。

早く調停を提起することをお勧めします。

調停の提起については以下の記事をご参照ください。

これで怖くない! 弁護士が教える離婚調停の進め方

5 おわりに

いかがでしたでしょうか。

協議離婚といえど、いろいろ気を付けなくていけない点がありますので、非常に難しく感じられるかもしれません。

しかし、自分と相手の意見を落ち着いて整理し、法律上はどうなっているのか、専門家にも相談しながら確認していけば、決して難しいものではありません。

離婚する夫婦のうち、約9割は協議離婚で行っているという統計もあるので、多くの方は無事に協議を乗り越えて離婚を実現しています。

何も恐れることはありません。

勇気を出して第1歩を踏み出し、成功を掴んでください。

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