離婚で後悔しないために、知っておくべき「別居」のポイント

別居のポイント

もう、こんな人とは一緒に暮らせない。

かつて将来を誓い合った夫や妻に対してそのような思いを抱き、別居を考えていらっしゃる方は、これまでの夫婦生活でいろいろと大変な思いをされてきたのではないでしょうか。

そんな生活を変え、自らのより良い人生のために、配偶者と別居することは立派な選択肢であり、決して悪いことではありません。

ただ、一方で、別居するにあたっては様々な不安や悩みもあることと思います。

  • 「別居したいけど、何をどうしたら良いか分からない」
  • 「別居したらもっと大変な目に遭うのではないか」
  • 「別居したら離婚で不利にならないか」
  • 「子どもはどうなるのか」

別居は自分の生活を激変させ、離婚ともなれば自分の人生を180度変えるわけですから、当然のことです。

しかし、そんな悩みや不安を乗り越え、ご自身にとってベストな別居が出来れば、きっと新しい人生の転機となるはずです。

本記事では、別居の際に誰もが抱く悩みや不安を解消し、将来、離婚の問題で後悔しないために知っておくべき重要なポイントを解説していきます。

ここでのポイントをしっかり押さえ、是非とも「あのとき別居して良かった」と思えるような別居にしていただければと思います。

1 別居先を決める

別居を決めたは良いけれど、何から始めて良いかわからない。そんな悩みを抱えていらっしゃる方も多いと思いますが、まずは別居先の家を確保することから始めましょう。

別居先を先に決めてしまえば、別居後の新しい家での生活をイメージしやすくなるので、その後の準備もスムーズです。

また、自分にとって「夫(妻)がいない」生活の基盤が他にあるということは、それだけで心の平穏につながります。

1-1 3つの選択肢

では、別居先をどうするかについてですが、ここで悩まれる方も多いかと思います。

いろいろな選択肢があると思いますが、大きく分けて

  1. 実家に身を寄せる
  2. マンションやアパートを賃貸する
  3. 家を購入する

の3つの選択肢があります。

まずこの3つの選択肢のメリット、デメリットを理解することが重要です。

(1) 実家に身を寄せる

別居になるべくお金をかけたくない、ということを優先させたいのであれば、やはり実家に別居してしまうのがベストです。家賃や食費、光熱費等を浮かせることができますし、忙しいとき子供の面倒を見てもらったりと、いざというとき同居の家族を頼ることもできます。

しかし、実家は(当たり前ですが)自分の家ではないのですから、自分好みの立地、規模、間取りになっているわけではありません。時には同居の家族に気を遣わなければいけない場面もあると思いますので、自由気ままに生活できるというわけにもいきません。さらに、相手配偶者にバレやすいというデメリットもあります。

    メリット:

  • お金がほとんどかからない
  • 何かあった時にすぐに家族を頼れる
    デメリット:

  • 相手配偶者にバレやすい
  • 同居の家族に気を遣わなければならない
  • 立地や規模、間取りは、自分の好きなようには選べない

(2) マンション、アパートを賃貸する

次に、ある程度お金がかかっても、自由な生活をしたいという方であれば、自分でアパートやマンションを賃貸するのが良いでしょう。

家賃等の生活費はかかってしまいますが、自分にぴったりの立地や規模の家を選ぶことができますし、自分が住む家ですから、自由気ままに生活することができます。また、相手にバレる可能性も少ないです。

    メリット:

  • 自分好みの立地や規模、間取りの家を選ぶことができる
  • (賃貸借契約に違反しない限り)自由に生活することができる
  • 相手にバレにくい
    デメリット:

  • お金がかかる

(3) 家を購入する

そして、資金力のある方であれば、いっそ自分で新たに家を買ったり建てたりしてしまうのも選択肢の一つです。住んでいるだけでなく、法的にも自分の所有する家となるのですから、法律に違反したり近所迷惑になったりしない限りは賃貸住居以上に何をしても自由です。

また、物件の内容や経済情勢にもよりますが、将来的に自分の資産になるので、お子さんのために残しておくこともできます。

ただし、当然莫大なお金がかかりますし、さらには別居前に買ってしまうと、「夫婦共有財産」として財産分与の対象となり、相手に資産価値の半分を分与しなければならない結果にもなってしまうので注意が必要です。

    メリット:

  • 自分好みの立地、規模、間取りを選ぶことができる
  • 自由に生活できる
  • 将来の資産になる
    デメリット:

  • 非常にお金がかかる
  • 離婚の際、財産分与の対象になる可能性がある

1-2 別居先の選択

以上のようなメリット、デメリットがあります。

もちろん、こうした点だけではなく、例えば同じ賃貸マンションでも、家賃や立地が違えば、当然、「家賃は安いけど会社まで遠い」「家賃は高いけど、会社に近いし、間取りが良い」等々、またそれぞれにメリット、デメリットが出てきます。

こうした複数の選択肢のメリット、デメリットを比べてみて、自分にとってベストな別居先を選びましょう。

転居先別メリット・デメリット

2 秘密裏に行動できる環境を確保する

次に気を付けなければならないのは、配偶者に別居を悟られないようにすることです。

せっかく別居先を決めたのにもかかわらず、相手に悟られては意味がありません。そうならないために、別居の準備は秘密裏に行動するよう心掛けることが必要です。

別居のためには、別居先を決めたり、持ち物を整理したりと、いろいろな準備が必要ですが、別居することを相手に悟られてしまうと、それを理由に相手から嫌がらせや妨害を受ける可能性があります。

また、相手配偶者の通帳等、相手の名義の財産に関する証拠を隠されてしまうなどされれば、将来の離婚の協議や裁判で財産分与が問題となった場合、情報が不足して不利になることも考えられます。

したがって、秘密裏に行動できる時間帯と場所を確保することが必要であり、これは別居日当日まで常に意識することが必要です。

例えば、家で準備するときは、相手方の勤務中や外出中など、確実に家に帰ってこない時間帯で準備することが必要ですし、別居に関する資料(新居の賃貸マンションの資料等)は相手が見られないような場所に隠す、あるいは誰かの家に預けてしまった方が良いです。

また、新居を手配する不動産業者や別居に協力してくれる親族、友人等からの連絡は、郵送物ではなく、メールや電話のみとし、相手に見られたり聞こえたりしないように注意します。

なお、別居日当日までに少しずつ荷物を別居先に運ぶ場合は、なるべく小さな目立たない物を選び、家電製品等の大きなものは、無くなるとすぐにバレるので、控えた方が良いでしょう。

そして、別居日当日には、もちろん相手がいない時間帯を見計らい、持っていく物が多い時は、引越業者を呼ぶなどして、できるだけ迅速に荷物を運ぶようにします。

    ポイント:

  • 相手がいない時間帯に準備するよう心掛ける
  • 別居に関する資料は相手に見られないように
  • 関係者には、郵送ではなく、メールや電話で連絡をとる
  • 別居日前には大きな物を運ぶのは控える
  • 別居当日は相手のいない時間に迅速に行動を

3 別居先に持っていくもの

3-1 持っていくべきもの

別居の際は、「二度と家には戻らないつもり」で、別居後の生活に必要な衣類や日用品等の私物に加え、今後の離婚の協議や裁判で必要な物も全て持っていく必要があります。

具体的には、例えば以下のようなものが挙げられます。

  • 財産に関する物や書類
    ex.) 財布、通帳、キャッシュカード、印鑑、自宅の不動産の契約書、権利証、証券等
  • 高価な品
    ex.) 宝石、貴金属、パソコン等電気製品
  • アルバム、手紙等の思い出の品
  • 勤務先、子どもの学校に関係する書類
  • その他貴重品
  • 相手配偶者の名義の通帳、権利書、証券等のコピー(下記2-2参照)

上記で挙げた物はいずれも「別居後にも必要だが、換えがきかないもの、ききづらい物」ということです。これらは全て持っていきます。

    ポイント:

  • 別居後にも必要だが、換えが効かないものは必ず持っていく
  • そうでない物は余裕があれば

3-2 持っていってはいけないもの

相手配偶者の名義の通帳や各種の書類、あるいは相手個人の私物は勝手に持って行っていかない方が良いです。

勝手に持っていくと、相手が激高して協議に支障を招いたり、後に損害賠償を請求されたりと、様々なトラブルにつながります。

しかし、離婚の際は、財産分与について協議されることになるので、どうしても相手名義の財産がどうなっているかは予め把握しておく必要があります。

そこで、そういった書類は、全てコピーをとったり、写真を撮ったりするなどして保存し、現物は残していって下さい。

    ポイント:

  • 相手名義の財産に関する書類、物で重要なものは、コピーや写真をとって保存
  • 現物は持って行かないように

4 家族との接し方

4-1 配偶者との接し方

4-1-1 別居を伝えるタイミング

最初に述べた通り、別居は秘密裏に行動するわけですから、配偶者に対しては、基本的には別居することを事前に知らせないようにします。

別居する前に伝えてしまうと、別居をめぐってトラブルになったり、あるいは別居を了承したとしても、重要な証拠(財産に関する配偶者名義の通帳や書類等)を隠されてしまう恐れがあるからです。

ただ、ずっと黙ったままですと、行方不明者扱いされ大きなトラブルに発展する可能性もあるので、別居が完了してから連絡する、あるいは家を出るときに置手紙等の形で伝えるのが良いでしょう。

4-1-2 伝える内容

相手に別居の事実を伝える際、住所を知られたくない場合は、連絡可能な電話番号やメールアドレスだけ教えると良いでしょう。

また、可能であれば、別居や離婚したい理由も簡単な内容で構いませんので知らせると良いと思います。そうすれば(どこまで相手に通じるかはわかりませんが)、夫婦の問題点を自覚させることになりますし、その後の離婚の話合いもスムーズに行く場合が多いからです。

4-1-3 別居後の配偶者の反応

以上の通り、配偶者に対して基本的には事前に予告することなく別居することになりますが、もし、相手配偶者が、別居を理由に、暴力やストーカー等を行う恐れがあるのであれば、別居先の市区町村の役所に相談して、住民票を秘匿してもらうこともできます。

また、強引に実家や職場に押しかけてくるようなことがあれば、業務妨害や不法侵入として警察に通報して対処する等の措置を執った方が良いです。

別居することは別に違法なことでも何でもないので、後ろめたく思う必要は全くありません。毅然とした対応を心がけましょう。

4-1-4 悪意の遺棄

なお、よく「勝手に別居すると、『悪意の遺棄』をしたとして離婚の問題で不利にならないか」と心配されている方がいらっしゃいます。

悪意の遺棄とは、民法770条1項2号という法律の条文で定められている離婚理由の一つですので、これを行った人からの離婚請求は、いわば婚姻関係を破たんさせた張本人、つまり有責配偶者からの離婚請求として認められない場合があります。

しかし、黙って別居したくらいでは悪意の遺棄には当たりません。悪意の遺棄にあたるのは、重い病気を抱えているなどして配偶者の監護が必要にもかかわらず一方的に見捨てるような例外的な場合だけです。ですので、そのような例外的な場合でなければ、全く心配する必要はありません。

    ポイント:

  • 別居することは事前に知らせない
  • 別居した後、置手紙かメール等で事後的に知らせる
  • 住所を知られたくない場合は電話番号やメールアドレスのみ知らせる
  • 別居後の相手配偶者の不当な行動には毅然とした対応を
  • 黙って別居したくらいでは悪意の遺棄に当たらない

4-2 子どもとの接し方

4-2-1子どもと一緒に別居すべきか

まず、離婚した場合にお子さんの親権を望む場合、また離婚に至らない場合でもお子さんの監護権者としてお子さんを養育する権利を確保したい場合は、必ずお子さんと一緒に別居する必要があります。

なぜなら、親権や監護権は、もし争いになった場合、同居している親が圧倒的に有利だからです。言い換えれば子どもと別居している状態で、配偶者が親権や監護権を主張した場合、あなたが親権や監護権を勝ち取る事はほぼ絶望的になります。

お子さんとの生活を望むのであれば絶対に離れてはいけません。

4-2-2 伝える内容

別居することをどのように伝えるか悩まれる方も多いと思います。

お子さんをご夫婦の問題に巻き込んで不安や混乱を与えたりすることは良くないので、基本的には、詳細までは話さず、別居することになった旨だけを端的に話せば十分でしょう。

お子さんの年齢、性格、ご夫婦の問題に対する認識具合、別居の理由を知りたい希望の有無等を考慮して、適切な言葉を選んで話すようにしてください。

4-2-3 子どもの意思を確かめるべきか

お子さんがある程度自分自身で物事を判断できる年齢であれば、お子さ んに別居することを伝えた上で、自分と一緒に別居するか、配偶者の元へ残るかを確認し、その意思を尊重するのが良いでしょう。

離婚訴訟等で親権が問題になる際、現在の裁判所の運用では15歳以上の子どもに関しては、「どちらの親と一緒に住みたいか」の意思を確認することになっているので、あくまで目安ですが、15歳以上であればお子さんの意思を確かめた上で別居した方が良いと思います。

    ポイント:

  • 親権を希望するなら絶対に子どもと一緒に別居
  • 別居する理由の詳細までは話さない
  • 15歳以上であれば、子どもの意思を確認

5 別居期間と離婚

離婚を前提に別居を考えている方、あるいは別すでに別居をされた方は、一体、どれだけの期間別居すれば離婚ができるのか、非常に気になるところです。

5-1 離婚すること自体は合意している場合

配偶者と離婚することで合意しているのであれば、離婚すること自体は問題ないので、別居期間は関係ありません。後は親権や養育費、慰謝料や財産分与といった付随的な事項が問題になるだけです。

    ポイント:

  • 離婚すること自体に双方合意している場合は、別居期間は気にする必要なし

5-2 離婚することに合意できていない場合

5-2-1 相手配偶者に、民法所定の事実もしくは暴力の事実がある場合

問題は配偶者と離婚するかどうかで争いになっている場合です。その場合は、最終的には離婚訴訟で裁判官に離婚判決を下してもらう必要があります。

判決は、当然、法律に従って下されますが、離婚については民法という法律が以下のように定めています。

民法第770条第1項

夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

  • 一. 配偶者に不貞な行為があったとき。
  • 二. 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
  • 三. 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
  • 四. 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
  • 五. その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

この民法の条文は、相手配偶者に

  1. 不貞(浮気)
  2. 悪意の遺棄(※悪意の遺棄については3-1-4参照)
  3. 3年以上の生死不明
  4. あるいは強度の精神病があるとき
  5. その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

上記の場合において離婚が認められることを意味しています。

したがって、相手配偶者側にまず、上記民法所定の1~5にあたる事実があれば離婚は別居期間に関係なく認められます。

また、暴力を振るわれたなどの事情があれば、これも5「その他婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるので、この場合も別居期間に関係なく、離婚が認められることになります。

5-2-2 相手配偶者に、民法所定の事実も暴力の事実もない場合

この場合には、他の事情でもって5を裏付ける必要があるので、この場合になってはじめて別居の期間が問題となります。

しかし、最終的に「その他婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるかどうかは、単純な別居年月数だけではなく、夫婦の年齢、婚姻期間、同居期間、子どもの有無、年齢、別居に至った理由、別居の最中の夫婦のやり取り等、やはり様々な事情を考慮した上で決まります。

よく「3年以上別居しないと離婚は無理」とか「5年以上別居すれば絶対に離婚できる」などといった説明をよく見かけますが、 大きな誤解です。

「その他婚姻を継続し難い重大な事由」とは、いろいろな事情を考慮するので、単純に期間だけで決まるわけではありません。

ただし、傾向として、同居期間を上回る別居期間があればかなり高い確率で婚姻関係の破たんが認められやすいです。

    ポイント:

  • 相手配偶者に、不貞(浮気)、悪意の遺棄、3年以上の生死不明、強度の精神病、暴力の事実があるときは別居期間関係なく離婚が認められる
  • その他の場合は、いろいろな事情を考慮して「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるかどうか判断されるので、別居期間だけでは決まらない
  • 同居期間を上回る別居期間があれば離婚を認められやすい

6 別居中の生活費

6-1 婚姻費用

6-1-1 婚姻費用とは

別居中は、相手との共同生活が解消され、家計が別個になるので、基本的にはご自身の力で生活していかなくてはなりません。

しかし、できれば相手配偶者にも生活費を支払ってもらいたいところです。特にお子さんと一緒に別居している場合はなおさら相手配偶者の援助が必要です。

そこで、法律上は、「婚姻費用」といって、収入の多い方から少ない方へ生活費を渡す義務を定めています。別居しているとはいえ夫婦であることは変わりないので、扶養義務が発生するのです。

6-1-2 計算方法

では、一体いくらもらえるのか、実は婚姻費用の額は、裁判所がおおよその目安を公開しています。

以下のURLにアクセスして見てください。

婚姻費用算定表

最初に数ページの解説文が続いた後、突然、変な縞模様のような表が出てくると思います。この表こそが、「算定表」と言われる表で、現在の離婚の裁判では、この算定表に従っておよその婚費用、それから離婚した後の養育費が決められます。

表をご覧になればわかる通り、お子さんの年齢、人数によって、適用される表が異なります。この中からご自身に当てはまる表を選び、権利者(払ってもらう方)の年収額と義務者(払う方)の年収額が交差するポイントがある領域がおよその婚姻費用額です。

ご覧の通り、義務者の年収が多ければ多いほど、そして権利者の年収が少なければ少ないほど金額は相対的に多くなり、逆に義務者の年収が少なくなれば少ないほど、権利者の年収が多ければ多いほど金額は少なくなります。

6-1-3 具体例

  • 夫:会社勤めで年収800万円
  • 妻:パートで年収300万円
  • 子ども:17歳の息子と13歳の娘の2人兄妹

妻が2人の子どもを連れて別居するとします。この場合、「表14 婚姻費用・子2人表(第1子15~19歳、第2子0~14歳)」という表が適用されます。

夫の年収が800万円、妻が300万円ですので、それぞれが交差するポイントは、「14万円~16万円」の領域の下の方にあります。

したがって、この場合の目安になる養育費額は、「月額約14万円」ということになります。

なお、算定表では、年収額を表す軸が2種類ありますが、これは給与所得者、つまりどこかに勤めていて給料をもらっているか、あるいは自営業で収入を得ているかによって、変わります。

さらに、この場合の「年収額」とは、実際に得た手取りの収入額ではなく、税金や保険料が控除される前の「総支給額」ですので、注意が必要です。

6-1-4 まとめ

なお、この婚姻費用は「養育費」と混同されがちですが、養育費はお子さんのための生活費、婚姻費用は「配偶者と、別居先にお子さんがいればお子さんの生活費」のことです。言うなれば「お子さんの養育費 + 配偶者への生活費」というお金ですから、年収額や子どもの人数、年齢が同じでも、婚姻費用の方が養育費より、配偶者の生活費が含まれる分多くなるのです。

ですので、別居中の生活については、一定限度ではありますが、自身と子どもの生活は法律上保障されています。

    ポイント:

  • 別居中の生活費は、「婚姻費用」として算定表に基づいて相手から一定の月額を支払ってもらう
  • 婚姻費用は配偶者 + 子どもの生活費、養育費は子どものみの生活費を指す

6-2 支払ってもらう方法

婚姻費用は、相手と協議して合意し、支払ってもらう方法が一番早いですが、必ずしも別居してすんなり婚姻費用を払ってくれるとは限りませんし、金額で揉める場合もあるでしょう。

そこで、離婚調停と同じように、婚姻費用も、家庭裁判所を介して協議が行われる調停手続きが用意されます。その協議で合意できれば良し、合意できない場合は、「審判決定」という、裁判所による判決のような決定によって定められます。

調停においても、審判決定においても、基本的には上記算定表に従って金額が決定されます。

    ポイント:

  • 相手が婚姻費用を支払ってくれない場合や金額で揉めている場合は、家庭裁判所の調停や審判で金額を決めてもらい、支払いを命じてもらう。

7 おわりに

以上が離婚問題で後悔しないために知っておきたい「別居」のポイントです。

留意しておく点はいろいろありますが、相手配偶者との関係にしても、生活費の面にしても、不安を取り除くために然るべき方法があるのですから、何も恐れることはありません。

本稿で書かれたポイントをしっかり押さえていけば、別居、そしてその後の離婚の手続きがきっとうまく行きます。

別居は、離婚の、そしてあなたの新しい人生のスタートです。恐れず、勇気をもって第一歩を踏み出そう。

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