「家庭内別居」など、愚か者の選択 ~ 弁護士が教える、家庭内別居から抜け出す方法 ~

家庭内_すれ違い

家庭内別居など、愚かものの選択です

 最近、テレビ番組などでも取り上げられるようになった「家庭内別居」ですが、インターネット上で検索すると、「家庭内別居のストレスをなくすにはどうしたらいいか」とか「家庭内別居をうまくやるにはどうしたらいいか」というようなサイトが出てきてびっくりしてしまいます。世も末だとしかいいようがありません。

 家庭内別居って、早い話、本来愛し合うべき夫婦が、家の中で、できるだけ口をきかずに顔を合わせずに、無視し合って他人でいながらそれでも暮らしている状況ですよ。そんな生活をしていいわけがありません。自分の人生の空費であり、問題の先送りでしかありません。子供がいたら、子供にも最悪の影響を与えます。はっきり言って愚か者の選択です。

 人の幸せを願わない、幸せになるべき人の足を引っ張る「クソ情報」に惑わされてはいけません。

家庭内別居など、ただの不幸です

 端的に言って、夫婦でいながら、愛し合ってもいず、楽しく暮らせもしない生活が、幸せな訳がありません。どんなにノウハウを高めても、そんなのストレスがあるに決まっています。自分も家庭内別居だと思う方、今幸せですか?幸せでないからこそ何とかしたくて、この記事に行き着いていませんか?

 こういうと、「いや、そうはいっても、別居も離婚も面倒だし、そんな力も無いし、」と言う反論が聞こえます。しかし、向上心をなくし、明日を良くしようという意欲を失った人生が、そもそも幸せなはずがありません。

 家庭内別居は、どんなに正当化しても、ただの不幸です。世界で一番愛し合うべき相手と、口をきかず、顔を合わせず、相手を嫌い、無視し合い、最終的には相手の死を願うような人生を、まともな人が送っていいわけがありません。

 「でも、別に困っていないし、今、楽だから」と反論なさる人に言います。「家庭の中で、人を無視して反目しあう関係を、「困っていない」といっている時点で、既に人としての感覚がおかしくなっています。これでは不幸をとおり超えて気が狂ってしまいます。

世間体などくそ食らえです

 日本人は、自分が幸せだと感じる事より、人から「幸せそう」に見えることの方が大切という、ゆがんだ幸福論を持っている民族です。これがよく作用すれば,礼儀正しく、慎み深く、平和な社会が築けますが、悪く作用すると、世間体しか考えず、自分が幸せかどうかという当たり前の事が分からなくなってしまっているストレス社会を生み出します。

 自分が本当に幸せなら、当たり前ですが、誰から見ても幸せに見えますから,心配しないでください。

 それに、たいていの人は、世間体をどうこういうほど、有名人でも何でもありません。人はそれほどあなたのことを気にしていません。

愛し合っていなかったら一緒に暮らしてはいけません

 人は愛し合っていなかったら一緒に暮らしては行けません。今の夫婦のあり方に疑問を感じているなら、一刻も早く、どうしたら幸せになれるのかを模索してください。私は、長い弁護士として経験で、いろいろな夫婦何百とみてきましたが、家庭内別居というような状態に甘んじている人たちに幸せが訪れたのを見たこともないし,有意義な人生を送っている人を見たこともありません。

 限られた人生です。今すぐに幸せになる方法を探っていかなければ、間に合いません。100年もたてば、ここで、この記事を読んでいる人は全て白骨です。そんな短い人生を、不幸で固めないために、家庭内別居から早く抜け出してください。

1 家庭内別居の異常性

法的な別居でもなんでもない

 家庭内別居などという法律用語はありません。単に、仲が悪くて家の中で反目し、無視し合っている夫婦を言うだけです。だから不幸に決まっているのです。

 気をつけなければいけないのは、ある瞬間だけを見れば、夫婦が夫婦喧嘩をして、口をきかない、顔を合わせない、というような状況はどの夫婦にも、起こりうる現象です。しかし、家庭内別居とはこれとは本質的に違い、意図的にこの状況を作り、常態化しているという異常性にその本質があります。

信じられない、その異常な生活実態

 口をきかない、顔を合わせない、と言っても、日本の家屋ですから、自ずとその広さには制限があり、また台所、冷蔵庫、お風呂、トイレなども複数ある家はまれです。片方が部屋から出たら、片方が部屋にこもるという事を繰り返しても、動線は重なることがあるでしょうから、お互いにかなり上手に立ち回らないと顔を合わせることも出てくるでしょう。実際に家庭内別居をしている人たちは、音や気配をうかがいながら、さらに顔を合わせないように工夫しているようなのですが、そのエネルギー別の事に使ってほしいと思います。

2 なぜ家庭内別居に陥ってしまうのか

家庭内別居に陥る理由

 このような異常な事態をなぜ自ら招いてしまうのか、それには3つの理由があると言われています。
まず、第1は当然ながら、婚姻関係が破綻したこと、言い換えれば、もう夫と妻として「愛していない」、という事態が起きていることです。

 第2は、離婚も別居も、したくないということです。したくない、の理由はさらにいろいろあります。愛情は失せたけど、離婚するのがめんどくさい、別居するのがめんどくさい、お金が惜しい、世間体が悪い、とりあえず、今のところ、すぐに生死に関わるわけではないので、問題を先送りにしたい、などなど、いろいろです。

 第3は、経済的に無理だから、あるいは子供が小さいから、別居したくても、離婚したくても、「できないとする」という理由です。「できないとする」という不思議な言い方をしたのは、実際はそれが理由で、離婚や別居ができないわけは無く、できないとする理由付けをしているにすぎないためです。

理由では無く、いいわけにすぎない

 結局、理由と言うよりは、むしろ、家庭内別居を正当化し、常態化するためにみずからが理屈を引っ張り出したいいわけにすぎないのです。

 人は、夫婦関係がうまくいかなくなった時、幸せになりたければ、それを修復してやり直すか、あきらめて離婚してお互いに別の道を歩むか、2つに1つの選択の方法しか本来ありません。どちらも、茨の道です。大変なエネルギーを必要としますし、完全な解決までには時間もかかります。また、世間の興味の目にさらされることもあるでしょう。子供との諍いもあるでしょう。経済的に苦しくなる事もあるでしょう。しかし、婚姻関係が破綻するというのは、そもそもそういうことなのです。問題を覆い隠そうとする限り、決して問題は解決しません。

3 家庭内別居によって失われるもの

時間はどんなお金持ちも1秒を買えない

 家庭内別居で失われるものは、なによりも時間です。人として生きている以上、すぎていく時間は有限であり、だからこそ、それが幸せで無ければ意味がありません。全てをあきらめて、問題を先送りにすることで、人生で一番幸せであるべき充実期の時間を無駄に生きてしまうことになります。どんなお金持ちでも一秒を買えないという現実の中で、停滞した時間を過ごすことは人生の大きな損失です。

子供の人生をもスポイル

 よく、子供が小さいので、子供のためにあえてがまんして、離婚や別居をせず、家庭内別居に甘んじているのだという事を言う人がいます。しかし、それは大きな勘違いです。子供は大人から学んだものしか作っていけません。愛情のある家庭で育った子供は、将来愛情ある家庭をはぐくめますが、家庭内別居の異常な家庭で育った子供は、男と女が愛し合い、葛藤し、ぶつかりながらも、幸せを模索して、譲り合い、寄り添いあうという当たり前の夫婦の形、家族の形を知りません。毛嫌いして、無視しながら、夫婦という形だけは続ける、という異常な事態を家族の形だと思ってしまいます。次世代を担う子供らの精神性まで大きな損失を招くことになります。

4 家庭内別居から抜け出るための方法

(1) もう二度と先送りにしない覚悟を決める

 家庭内別居を長年続けてきた人は、その異常な状態を正当化するために自分でいろいろな、理屈を考えます。そのため、問題を先送りにするのが上手になってしまっています。

 解決のための一歩は、絶対に、問題をこれから解決するのだという強い意志を持つことです。どんなに困難が待っていようと、今虚偽の人生を生きるよりは、いいのだという、強い決意が何より必要なのです。そのため次にように考えてみてください。

  1. 今が本当に幸福か、徹底的に問い直す
  2. 日本人は自分が幸せかどうかを実感することよりも、人から自分が幸せそうに見えるかどうかにエネルギーをさいてしまう民族だといいました。しかし、その結果、一生仮面をかぶって、本当に幸せな人生を送れずに終わるのであれば、不幸です。他人がどう思おうと、あなたは単に不幸です。自分にとっての幸福感を大事にしたいからこそ動くのだという当たり前の事を忘れてはいけません。

     「ストレス無く家庭内別居を送る方法」にすがっていること自体、ストレスの存在を前提としています。「幸せ」では無く、「幸せのふり」をしていても偽りの人生ですよね。

  3. 自分自身の人生の目標は何だったのか思い出す
  4.  封印してきた自分の幸せと向かい合おうと決めたら、まず、自分の人生の目標は何だったのか、本気で思いだしてみましょう。小学生のころ、将来何になりたいかと聞かれて、何と答えていましたか?身近に見る学校の先生だった人もいれば、「ウルトラマン」などと答えた人もいたのではないでしょうか。それでいいのです。自分には成りたい仕事、描きたい未来があったことをもう一度思い描いて見てください。

  5. 20年先、30年先の自分を考える
  6.  家庭内別居は問題を先送りにしてくれます。しかし、時は止まっていません。何時いかなる時も確実に流れていきます。流れ流れて止めようがないのです。先送りにしたところで、解決ではない以上、先送りに仕切れなくなったところで、限界に達し、問題は表面化します。そのとき、十分な事案の解決能力とエネルギーは維持できているのでしょうか。そのときが20年先、30年先かも知れませんが、自分はいくつで、どのような仕事をし、どんな人生を送っているのか、そのとき、幸せであるためには今動かないといけないのです。

  7. 子供達の心身の健康への影響を見定める
  8.  今お子さんがいる方は、今お子さんがどんな状態かをきちんと見定めてください。あるご相談者で、「今は子供が精神的に不安定で、不登校とかになっているので、離婚や別居はさけて、家庭内別居でこのまま行きたい」と言っていた方がいました。私は、「家庭内別居をしている限り、お子さんの不安定も不登校もなおりません」とお伝えしました。

     当たり前です。自ら、家庭内別居を招いた大人でさえ、そのストレスから「家庭内別居をストレス無く行う方法」などという、マニュアルをネットで探して読んでいるのです。大人の身勝手で巻き込まれ、自分の右手と左手に等しい父と母が、敵視し合い、無視し合う、そんなストレスに置かれている子供が精神的に耐えられるわけがありません。子供の精神の病は、自分たちの身勝手な行動に原因があるのです。

(2) 別居のための具体的な方法を決める

 以上の見極めをし、「もう後戻りできない」という覚悟が決まったら、具体的に別居、離婚による清算という道に進む方法をお話しします。

  1. どちらが出て行くのが合理的か
  2.  まず、居を分けることですが、自分が家を出た方がいいのか、相手に出て行ってもらった方がいいのか、この見定めをしなければなりません。今住んでいる家が、もともと相手の親から相手がもらった家、あるいは、未だに相手の親の持ち家、などという場合には自分がそれを取得することはかなりな困難を伴いますから、自分が出た方が合理的です。また、相手名義の家で、相手名義のローンがまだたくさん残っている、などという場合も、こちらが取得するのはかなり大変ですから、執着しないでこちらが家を出る方向で考えるのが早道です。

     しかし、2人で買った家で、ローンももう終わったか、終わりかけている、などという場合には、他の資産の残存状況によっては、自分がその家を取得する可能性も出てきます。他の資産の残存状況を言ったのは、資産がこの家しかないばあいには、相手から持ち分相当額を買い取らなければ行けませんから、かなり厳しい事態になりますが、資産が合計6000万円あり、現金が3000万、不動産の価格が3000万という場合であれば、相手に現金を渡して、自分が不動産を取るという選択肢が可能になるということです。

     但し、ここでももう一つ考えなければならない重大な問題は、他人を物理的に動かすのは大変だということです。理屈から考えれば、自分が自宅に住んで、相手が出て行った方がいい場合でも、相手を動かすのは容易ではありません。時間の浪費を防ぎたければ、いっそ、一度家を出て、再度戻るという方法もあります。

  3. 別居後の住まい、経済的な自立方法を考える
  4.  別居後の住まいを見つけることは、現在働いていない専業主婦だったりすると、なかなか困難な事が多くあります。もちろん、親族等の援助があれば、一番良いのですが、それが望めなければ自力で探さなければなりません。

     しかし、自治体が用意している母子の借り上げ住宅などの利用も工夫もあります。とにかく、大前提ですので、探してください。必至で探していれば、道は開けます。

     次に、食べて行くためには自分の仕事を早く見つけ、経済的な自立を考える事が何よりも必要ですが、お子さんが小さかったり、病気だったりした場合に、働けない事は往々にしてあります。そのような事態に対処するために定められているのが、婚姻費用の分担請求権です。婚姻費用の分担請求は所得の分配を配偶者に求めるものであり、別居することによって、この行使が可能になります。逆に言えば、別居していない間は、請求が難しいのです。住宅の費用も、電器ガスなどのインフラ費用も、どっちがどれだけ電気代を使い、水道代を使うのか、など、家庭内別居とは言え、共同の生活を営んでいると別にカウントする事が困難な事が多くなるからです。

     別居したら一刻も早く婚姻費用の分担請求調停を出しましょう。

  5. 子供への影響の対策
  6.  子供さんが小さい場合には、貴方が女性であれば、通常は一緒に連れて出ることが普通です。子供さんが大きい場合には、学業、就職などの都合もありますし、衣食の事は自分でできる事もありますから、相手方に任せて、自分だけが出ることも視野に入れて考えてください。大切なのは、夫婦でいがみ合い、無視し合う関係を続けることを絶つことです。お子さんについては、それとは切り離してどちらと暮らす方が当面いいかを判断すればいいのです。

(3) 早期に専門家に相談して、調停等の申立をする

 一番大切なのは、ここです。別居するタイミングや、同居しているうちになしておくこと、出るときに、決めておくべき事、妨害されずに脱出する方法、荷物の整理で気をつけるべき事、保険の事、年金のこと、その他諸々のことなど、考えれば切りが無いほど、細かい問題は起きてきます。

 また、別居したら噴出する様々な問題に煩わされているより、とっととはたらいでお金を稼ぐ必要の方が高くなりますから、専門家に頼めるところは頼んで、自分は仕事に邁進する事の方が必要になります。

 また、調停の申立などは、速やかに行わないと、いつまで経っても話し合いがスタートしませんし、婚姻費用については申し立てた日からしかもらえませんから、別居と同時に申し立てることが肝要になってきます。ここらのリズム感と適正なリードは絶対に必要です。離婚に詳しい弁護士に早期にサポートを依頼することを忘れないようにしてください。

5 まとめ

 以上、見てきましたが、専門的な事はとっとと専門家に任せ、自分は生活を再建築して、安定した経済基盤を気づくことに注力するというのが大切です。本当に幸せになりたければ、ストレスでしかない、また子世代にも被害を残す「家庭内別居」という異常事態から一刻も早く抜け出なければなりません。

 自分をだまして、虚構の生活を続けることのないようにしてください。

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