離婚協議書の書き方徹底マニュアル

離婚協議書

離婚協議書とは、その名の通り、離婚の協議の内容を書いた書類です。

近年、離婚の際にこの離婚協議書を作成することが増えてきましたが、「何をどう書いて良いか分からいない」と、不安に思われている方も多いと思います。

しかし、離婚協議書というのは、書くテーマが限られていますし、書き方もある程度決まっている書式があるので、それに則って書けばとても簡単に作成することができます。

本稿では、こうした離婚協議書の書き方を、一から説明していきます。

ここで離婚協議書の書き方をマスターし、スムーズな離婚を実現しましょう。

1.離婚協議書とは

離婚協議書とは、一言で説明すると、「離婚の協議で決まった内容が書かれた契約書」です。

まず、離婚協議書を作成する前に、「離婚の条件について互いに協議がまとまっているか」を確認しましょう。

協議がまとまっていなければ、いくら離婚協議書を作っても意味がありませんので、お互いに誤解がないよう協議がまとまっているか確認することが必要です。

ただ、「協議がまとまっている」とは、必ずしも具体的な内容が決まっていることではありません。

例えば養育費について、「月額○万円払う」と決まることもあれば、「今はあえて決めない」と互いに申し合わせることもあります。後で解説しますが、親権以外の条件の場合、法律上は、離婚と同時に決めなくても良いのです。その場合は、単に協議書に書かなければ良いだけです。

とにかく、様々なテーマについて、「こんなはずじゃなかった」「こんな話聞いていない」と後でトラブルにならないよう、互いに共通認識が出来上がっていることが必要です。

2.離婚協議書に書くテーマ

離婚協議書に書くテーマとしては、主に以下のようなものがあります。

  1. 離婚すること
  2. 親権者をどちらにするか
  3. 養育費をいくら払うか
  4. 財産分与をいくら払うか
  5. 年金分割の割合をどうするか
  6. 慰謝料をいくら払うか

主なものは以上の6つですが、全てについて離婚協議書に書く必要はありません。

子どもがいない夫婦は親権や養育費は関係ないので、書きません。

また、慰謝料や財産分与といったお金に関する条件も、「支払わない」ということで互いに合意したのであれば書きません(※但し、下で述べるように清算条項は必要)。

さらに、離婚の条件は、法律上、親権以外の内容は必ずしも離婚と同時に決めなくても良いので、「今は決めない」と、あえてペンディングの状態にするのも許されるので、その場合も離婚協議書には書かないことになります。

3.離婚協議書の書き方、ポイント

3-1.離婚協議書の書式、文例

では、いよいよ書き方について解説しますが、まず一般的な書式、文例を紹介します。

離婚協議書サンプル

3-2.離婚について

基本的には、上記の文例に、ご自身で決めた内容を当てはめて書いていけば大丈夫ですが、テーマごとに解説していきます。

まず離婚についての書き方ですが、上記の第1条の文例の通りにするのが一般的です。離婚協議書を作った日に離婚について合意したことにし、届け出る人を決めて、「○が届出を行うものとする」と書きます。

離婚するときは、たいてい妻が夫の戸籍を抜けて、新しい姓や戸籍を離婚届けに書いて出すことになるので、妻を届出人とした方が便利です。

3-3.親権者について

次に親権者についてですが、これは全ての子どもの名前(性は不要)と生年月日を記し、その子の親権者が誰になるのかを書きます。

3-4.養育費について

養育費については以下の内容を明確にします。

  1. 子ども(一人当たりの)金額
  2. 支払期日
  3. 支払期間
  4. 支払方法

まず金額については、子どもごとに分けて書きます。例えば、2人子供がいて、2人分合わせて10万円だとしても、一人当たり5万円と書いたり、長男については6万円、長女については4万円と、子どもごとに金額が分かるような形で書きましょう。

次に支払期日と、支払期間です。

毎月いつまでに支払うのか、そして一体いつからいつ頃まで支払うのか、を明確にしましょう。

銀行振込が一般的かと思いますので、支払先口座を決めて支払うようにしましょう。

3-5.財産分与について

財産分与についても、同様に以下の内容を明確にします。

  1. 金額
  2. 支払期日
  3. 支払方法

1.金額については、少し慣れない言葉ですが、「○○円の支払義務があることを認め」という文章で書いてください。

2.支払期日については、文例では一括支払を想定しますので、単発の支払期日だけ書いていますが、分割で支払う場合は、養育費のように「いつからいつまで」という支払期間を書きましょう。

3-6.年金分割について

次に、年金分割については、これは文例の通り、やや特殊な書き方が要求されます。具体的には、年金番号が必要なので、年金手帳等で確認しましょう。

後は、文例の通り書いていけば大丈夫です。

3-7.慰謝料について

慰謝料についての書き方は、財産分与と同じです。1.金額、2.支払期日、3.支払期日を書きます。

なお、慰謝料と財産分与は、離婚に際して支払うお金ということで一緒に支払うことも多いと思います。

その場合は、二つのテーマをまとめて書いてしまっても大丈夫です。

例えば、「甲は乙に対し、財産分与及び慰謝料として○○円の支払義務が~」と書いても良いですし、「解決金として」という言葉で書いてしまっても大丈夫です。

ただし、下で書いてあるように、清算条項はしっかりと書いてください。

3-8.清算条項という条文

最後に、「清算条項」という条文を乗せます。

これは、文例のように、協議書に書いてあること以外は、互いに何も請求しない、できない」という内容で、離婚協議書では必ず必要な物です。

この条文は、後から「慰謝料をもっと欲しいから、書き直せ」と言われたり、「財産分与の計算が間違っていたから決めなおそう」といった、問題が蒸し返されることが無いようにするものです。

逆にいえば、この条文が入った協議書を作成して互いに署名押印してしまえば、もう後戻りはできません。

したがって、例えば「財産分与については離婚してからゆっくりと協議して今は決めない」といった感じで協議がまとまったとき、この清算条項がそのまま書いてしまうと、後から財産分与を請求できなくなってしまいます。

そのような場合は、「甲と乙は、本件離婚に関し、財産分与を除き、甲と乙との間には、本協議書に定めるもののほかに何らの債権債務がないことを相互に確認し、財産分与を除き、名義の如何を問わず、金銭その他の請求を相互にしない。」と、あくまで例外であることが分かるような書き方をする必要があります。

4.離婚協議書の署名と押印

4-1.署名と押印の方法

内容について全て書いたら、同じものを2通作り、それぞれが署名押印して通ずつ保管します。

これは普通の契約書と同じです。

署名については、法律上は必ず手書きである必要はありませんが、現に本人が書いたことを示すために、手書きで書いた方が良いでしょう。

押印については、実印で押印する必要は無く、三文判でも結構です。

4-2.署名と押印をするタイミング

この署名と押印がなされれば晴れて離婚協議書の完成ですが、可能であれば相手方に離婚届けをその場で書いてもらい、それを受け取るのと同時に離婚協議書にも署名押印してもらった方が良いでしょう。

なぜなら、離婚協議書は一種の契約書なので、当事者はそれに書いてあることに従わなければならないのが基本なのですが、離婚については、いくら協議書があっても、離婚届が提出される前に心変わりして離婚を拒否されてしまうと、離婚を強制することはできないのです。

一見奇妙なことのように思えますが、離婚というのは人の人生に関わる重大事項なので、実際に離婚届けを出す際に双方に「離婚する」という意思が無ければならないのです。

ですから、せっかく離婚協議書を作っても、離婚届けを出す前に心変わりしてしまうと全てが水の泡になってしまうので、離婚届けにも同時に署名押印してもらい、それを受け取り、すぐさま自分も署名押印してすぐに役所に届け出た方が良いです。

5.おわりに

いかがでしたでしょうか。

少し難しい話もありましたが、最初に書きました通り、書くテーマや書き方がある程度決まっているので、それさえ覚えてしまえばとても簡単に作成できます。

もしどうしても不安な用であれば、一度自分で作ってみて、それを法律相談か何かで弁護士に見てもらうのも有効です。

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